小太りの子供は、勉強しない?
投稿日:2017年6月19日
カテゴリ:歯と栄養
[ 小太りの子供は、勉強しない?]
「個別指導の塾講師を10年やってきて、 分かるようになったことがいろいろある。
その一つが、 「小太りの子供は、勉強しない」ってことだ・・・文中より。
元記事はこちら
http://bit.ly/1c3LCMJ
塾講師歴10年の経験則からの言葉、とても興味がわきます。
どういうことでしょうか。
「勉強しない」のではなく、「勉強できる体のコンディションができていない」
と解釈する方が良さそうです。
その理由は、
1. 炭水化物中毒・糖質依存症
糖質摂取→脳内報酬系回路刺激→幸せを感じる
→血糖が上がる→インスリン分泌→眠くなる
→集中力続かない→血糖が下がる
→血糖を上げるホルモン(アドレナリン)分泌
→糖質を体が欲しがる
→糖質摂取(ふりだしに戻る)
血糖調節ホルモンにより「勉強できる体のコンディション」が乱されているかもしれませんネ。
2. 糖質過剰による腸内細菌バランス撹乱の可能性
炭水化物や糖質の過剰な生活
→腸内細菌バランスの撹乱・慢性消化管炎症・腸粘膜バリア機能破綻
→免疫異常・全身炎症(バクテリアルトランスロケーション・内毒素循環・炎症性サイトカイン)
→全身性疾患・自己免疫疾患→口腔粘膜バリア機能破綻(唾液中の免疫物質IgAは小腸で作られます)
生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などにかかわる物質(セロトニン等)や、ビタミンB群の産生も低下するので、
糖質の代謝に必要なビタミンB群は需要亢進にもかかわらず
不足するかもしれませんネ。
3.糖質過剰による口腔内環境の破綻
糖質過剰→う蝕産生菌・歯周病菌増殖
→エナメル質う蝕→象牙質う蝕・歯髄炎による痛み
→咀嚼活動に支障をきたす(噛めない、噛まない柔らかい食品を好む)
→炭水化物・糖質の多い食事→ふりだしに戻る
1,2が合併し、
免疫低下による口腔粘膜バリア破綻、ビタミンB群不足による粘膜トラブル多発傾向
→さらに咀嚼能力低下
4.インスリン抵抗性、糖尿病、副腎疲労
血糖を上げる食事を続ける(高血糖)
→すい臓β細胞(インスリン分泌)がダメージを受ける
→インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)
→インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大
→高血糖→振り出しに戻る
血糖値が下がると副腎からコルチゾールなどの血糖を上げるホルモンが出ます。
しかし、体は頻繁にそのような状況に遭遇することを想定されていないようです。
最終的には副腎が疲労してしまいさまざまな問題を表出するようです。
コルチゾールは、血糖値を上げる、血圧を高める、精神的・肉体的ストレスに対抗する、炎症・アレルギーを抑える働きがあります。
この働きがなくなると・・・と大変ですネ。
この副腎は体の中でビタミンCを最も必要とする臓器ですから、
需要亢進した場合には皮膚や粘膜が後回しになるといわれています。
さて、
文中に
「まず甘いものや間食癖を強制的にやめさせる必要がある。」
とありますが、
これだけでは長続きせずやめるのは無理でしょう。
上記の1から4に加えて、
さらに次のことを行うことをお勧めします。
5.間食を増やす(間食を入れ替える)
「間食が悪い」という言葉、
これまでは「糖質を含む・血糖を上げる間食が悪い」
という意味で使われてきました。
血糖を上げない間食は悪くありませんし、
う蝕原因にもなりません。
具体的な食材では、
ゆで卵、チーズ、無糖ヨーグルト、無塩のナッツ類です。
この4つをまず覚えることから始まります。
6.主食を入れ替える
血糖値を上げる食品は
いわゆる主食と呼ばれているものに
多く含まれています。
白いご飯、白いパン、うどん、など
精製されたものを減らします。
同等のカロリーが得られる肉、魚、卵、チーズなどの
たんぱく質に置き替えて行きましょう。
たくさん食べ過ぎないように、
よく咬んで(30回ぐらい)食べるということが大切です。
血糖上昇がゆるやかになります。
お腹が空いたら5の間食をうまく利用します。
7.習慣を変える意識をもつ
長く続いた習慣を変えることは大変です。
変える目的は何なのか、
なぜそのようにしているのか、
しっかりと意識して下さい。
食後のデザートがだんだんと欲しくなくなってきます。
1か月、
2か月、
3か月もすれば
ダイエットを意識せずとも体は変化していくことでしょう。
ここで大切なのは健康を維持しながら、
健康に体質を変えていくことです。
体を維持するためのカロリーがしっかり摂取できていなければ、
栄養は働かないようです。
ここまでいくと
日々のパフォーマンスのレベルは相当上がるはずです。
そしてこの時点で過去を振り返ってはじめて
「自分は糖質依存だったのだ」
とおわかりになれるかと思います。
意外なことに勉強だけでなく、
遊びにも耐えられる体が得られているはずです。
もちろん、
これらは仕事のパフォーマンスを上げることにも通じますヨ。
今回は、この「小太りの子供は、勉強しない?」
という記事に考察を加えてみました。
「小太りの子供は勉強しない」のではなく、
「勉強する以前の環境整備が不十分なため、
勉強しないようにコントロールされてしまっていた」
というのが個人的に考える結論でした。
これは塾に通うお子さんのお弁当のレシピに通じますから、
大事な問題ですよね。
「自分も当てはまる」、
「自分の子にもあてはまる」という方は、
かかりつけの医師にご相談の上で行われることをお勧めします。
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