食のこと Part 3
投稿日:2017年6月24日
カテゴリ:歯と栄養
むし歯があるかもしれないと検診で指摘されたという5歳のお子さまがいらっしゃいました。
見てみるとむし歯の問題はないようです。
最近は、むし歯がない子供が増えています。
でも、かみ合わせや歯ならびが良くない子は増えています。
その子は、一見何ともないかもしれませんが
我々がみれば明らかに上あごの成長発育が遅れていました。
舌の癖がありますし、普段毛布を吸う癖があるようです。
むし歯以外の話を歯科で聞いたのは初めてと、お母様談。
今回は癖を取るためのガムを使った簡単な方法をお伝えするだけで経過を観察となりました。
ガムといっても最近は咬むトレーニング用の製品が出ています。
普通のガムよりもちょっと硬めで、すぐに小さくならないのです。
こういう製品です。
ライオン DAY-UP オーラルガム(かむトレーニング) ピーチ味 28粒入 1箱
ガムトレは簡単なので、お出かけの際にご家族でやってみると楽しみながら筋肉の機能を補正できます。
でも、これだけではダメなのです。
食べ物が非常に大事です。
小さいうちから炭酸系飲料や100%ジュース(糖分の塊)でおなかを満たしていると、
カロリーは足りているものの栄養バランスとしては非常に偏っています。
野菜ジュースとして売られているものもの然り。
これにお菓子を食べさせるとどうなるでしょうか。
一番小さいのが最小限の栄養で育てた豚、
二番目は最小限の栄養+砂糖を食べたいだけ食べさせた豚
三番目は最大限の栄養で育てた豚 です。
子供たちに甘い糖質ジュースを飲ませるのは、二番目の豚と同じ運命になるかもしれません。
糖質過剰ということに全く関心がない親御さんもいらっしゃいますが、
依存というサイクルにはいっていればそれも理解できるでしょう。
しかし、まだまだむし歯ができたとしてもそこまで考えることができる方はほんの一部です。
ご家族の介護でへとへとになっているという方がいらっしゃいます。
へとへとになり、甘いものを常に摂取し口の中は多数のむし歯だけでなく、
たくさんの歯垢、汚れた舌、歯肉炎、歯周炎と荒れ放題のことが多いようです。
糖が過剰に停滞しつづけた口の中の状態です。
糖が過剰に存在する状態ですから、さらに糖化反応を引き起こし、
認知症や自分自身が要介護となる可能性が十分考えられます。
介護の連鎖がその家系で引き続き起こる可能性があります。
このようなことが日常茶飯事で起きていますが、ご本人が良くなりたいと思うだけでなく、再発をいかに防ぐかということにも興味をもっていただけなければ同じことの繰り返しです。
知識が足りないのではなく(知識は我々に任せていただくとして)、
根本的に良くなりたいという想いが足りないのです。
本気で良くなりたい、これまでの治療の連鎖を断ち切りたい、
という想いを医療従事者にぶつけてみましょう。
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