歯みがき粉を比較してみたら・・・・
投稿日:2017年6月19日
カテゴリ:予防歯科
ドラッグストアにいくと
ホント、たくさんの歯みがき粉が売ってます。
みなさん、どうやって選ばれていますか?
私はドラッグストアで
歯みがき粉を買うことはありません。
それは、
職業柄ということもありますが、
実は他の理由があるのです。
今日は、
「問題のある」といわれている歯みがき粉を
ドラッグストアにいって手に入れてきました。
なにが問題なのか、
中にはいっている「粒(つぶ)」が
「問題を起こし始めている」という情報が、
歯科関係者の中で回ってきたのです。
ところで、
みなさんは携帯電話の画面に
傷がつくのは嫌じゃないですか?
傷がはいると
気持ちよく使えなかったり。。。
スマホの画面に、
保護フィルムをはったり、
やわらかい布でふいたりしますよね?
まさか、
クレ○ンザーを使って
拭いています!という方はいませんよね。
え?
スマホと何の関係があるの?
歯の表面は
スマートフォンの画面のように、
ガラスに似たエナメル質という結晶で
おおわれています。
クレ○ザーで画面を磨き続けるとどうなるか・・・
わかりますよね。
ちなみに、
ティッシュには少し研磨剤が入っているので、
ティッシュで拭き続けていると
傷がつきます。
では、本題に入ります。
本日手に入れた
歯みがき粉にはこう書かれています。
一方で、
この顆粒は
「歯のまわりの歯肉の中」に残留して炎症を起こしていたり、
「歯肉の中に貫通」していたり、
と報告が
歯科医師のFacebookコミュニティ内に
多数あげられてきています。
「我々がおすすめする」歯みがき粉と
どんな違いがあるのか、
治療に用いている手術用顕微鏡(けんびきょう)をつかって
「つぶの荒さ」を比較してみました。
こんな感じ↓
結果はこちら。
ちょっとわかりにくいので、詳細を説明していきます。
Aが本日入手したものです。
10倍に拡大してみてみましょう。
丸いつぶつぶは、見えましたか?
20倍に拡大してみると、
こんな感じで見えます。
さて、
Bは、
当院で「プロフェッショナルケア」として使用している
歯にふきつけるパウダー。
乱反射してキラキラしています。
グリシンというアミノ酸でできており、
歯よりもやわらかいので
歯を傷つけることはありません。
150μmのサイズです。
もっと拡大すると、
ちょっとわかりづらくなりますが、
つぶ(粒)ではないですよね。
さて、
Cは、
「ナノサイズのペースト」と
うたわれているものです。
クリーム状に見えますが、
ナノサイズ粒子が入っています。
20倍にすると、こんな感じです。
定評のあるこの商品、
さすがだと思います。
最後に、Dはどうでしょうか。
つぶ(粒)は見えません。
20倍がこちら。
Dは日常で、
私個人や家族、スタッフが使っており、
来院される方にお勧めしている商品です。
AとCを並べてみると・・・・↓
そして、
AとDを並べてみると・・・
実はAとD、
同じ会社が作っています。
その違いは、
Aは市販品、
Dは歯科医院専売品です。
Dは価格は、
Aの4倍ほどしますが、
低研磨性とうたってあり、
粒子のサイズをしっかりとコントロールしています。
それで価格が違うということもあるのでしょう。
Aの粒子は、みがいているうちに
自然に崩壊して、
小さくなっていくと書かれていました。
それで実際に、
どうなるのか実験してみました。
[youtube]http://youtu.be/oDftmMk1aF4[/youtube]
いかがでしょう。
粒子はどんどん小さくなりましたか?
それとも・・・・。
実験につかった電動歯ブラシを拡大してみると、
つぶは、細かくなっているでしょうか?
これ、「水洗いした後」の画像です。。。。
この粒子(ゼオライト)が、
歯(スマホの画面)を傷つけながら、
さらに
みなさんの、
歯周ポケットに残留しているとしたら・・・。
ただ、
ここで誤解をしてほしくないのは、
「ゼオライト」が悪いわけではなく、
粒(つぶ)の大きさが大きすぎたのが、
マズかったのだということです。
このゼオライト、
決して悪者ではありませんので。
「なぜ、私が市販品を買わないのか?」
お分かりになりましたか?
消費者は賢くなりたいものですネ。
今日ご紹介した商品のうち、
おすすめのものはインターネットでも売っていますが、
かかりつけの歯科医院で、
歯科医師や歯科衛生士にご相談の上、
選択されることをお勧めします。
Cはこちら↓
オーラルケア アパガード リナメル 120g 医薬部外品
D(私のお気に入り)はこちら↓です。
Check-Up standard チェックアップ スタンダード 120g
もっと歯みがき粉のことを詳しく知りたい方は
こちらの書籍↓を参考にされると良いかと思います。
エナメル質・象牙質・補綴物のプロフェッショナルケア
「こんな本もあるんです」とついでにご紹介。
歯みがきつくって億万長者―やさしくわかる経済の話 (チア・ブックス)
おまけ)
スタッフが手のひらにつけて
感触を確かめていました。
どれがどれか
わかりますか?
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