大事なのは終わった後だった! むし歯体質改善への道 その2
投稿日:2017年6月19日
カテゴリ:予防歯科
前回は「真のリスク」を探るためのう蝕菌検査について説明しました。
むし歯菌の比率には個人差が激しいことが理解できたでしょうか?
むし歯体質改善の道その2に進みましょう。
「むし歯菌は歯の表面にのみ生息する!」
これは、今後体質改善プログラムを理解していただく上で非常に大事です。
裏を返すと、歯が生えていないときはむし歯菌は口の中に生息できないですよ!ということです。
つまり、むし歯体質で困っている人は生まれつきではありませんよ!ということなのです。
生まれつきではないむし歯菌はどこから来るのでしょうか?
いろいろな人から感染するようですが
おもに母親からが多いようです。
では例えば、このような夫婦がいるとします。
S.Hさんはむし歯菌の比率が0.1%でむし歯になりにくい体質といえます。
S.Hさんの妻 K.Hさんはう蝕菌比率が5.0%あり、リスクが非常に高いタイプだということがわかります。
さあ、どうしましょう。
子供にむし歯で苦労させないためには、母親からの感染を防ぎたいですよね?
さきほどの表をもう一度出します。
一般的には、父親からよりも母親からの感染の影響の方が強そうですね!
対策としては、従来よくいわれていたような同じスプーンを共有しないということがありますが、意外と現実的ではないと思います。
子供は愛情を欲しがりますので、スキンシップとしてのキスなど小さいうちにたくさんしてあげて欲しいです。
では、どうするか?
生後19ヶ月から31ヶ月が最も感染のリスクが高いといわれています。
(この時期以降も感染の可能性は充分にあります。)
ということは、ご夫婦の口の中の真のリスクを見つけ出して、
リスクが高いことがわかれば(前述の母親の場合)、
リスクを下げる治療を受けるという治療を受けるという選択枝があります。
ご夫婦のう蝕菌の比率が非常に低い状態であれば、
理論的に考えてお子さまのう蝕菌比率は低くなります。
このことはどんな効果を生み出すでしょうか?
う蝕の穴にものが挟まって痛い → よくかまない、あまり食べない → 炭水化物などのやわかいものが増える → かまないことであごの筋肉が発達しない → 栄養が不足する → かみあわせだけでなく、顔の成長発育に影響する などの連鎖が起こるケースを診療室で見ることがあります。
今回は乳児に関する話題に触れました。
むし歯菌の検査をすることで、丈夫な歯を子供たちにプレゼントできることがご理解いただけましたか?
これから出産を計画されている方の場合、妊娠を計画している段階、出産後すぐがお勧めです。
第二子、第三子を計画されている方も同様です。
祖父母と子育てをされている方は、祖父母のう蝕菌検査を行うことよりもまずは
長い年月を経て口の中がどのようになっているかの状況把握から必要です。
お気軽にご相談ください。
その3へ つづく
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