銀歯を入れた後の歯がしみるので何とかしてほしい
投稿日:2018年2月2日
カテゴリ:神経温存
他院で銀歯を入れた後歯がしみるので何とかしてほしいという方が時々来院されることがあります。
しばらく様子を見て下さいと言われて、様子を見ているがなかなか改善の兆しが見られないという状態もあります。
患者さんの何とかしてほしいという想いはとても良くわかります。
しみるのが治らなければ神経を取りましょうと言われたが、神経は取りたくない。
これも良くわかります。
知覚過敏という分類にはなりますが、治療をしたことで起こっている知覚過敏治療は非常に難しいと思います。まず、他院で行われた治療の質がどれほどであったかがわかりません。むし歯を取るにしても肉眼で行ったのか、拡大視野で行ったのかが不明です。もちろん拡大視野で行う方が正確なのはいうまでもありません。
次に、むし歯が深くて神経の方まで行っているにも関わらずあえてむし歯の部分を取らずに神経温存を選択した場合や、むし歯を全て神経が露出しているにも関わらず適切な神経温存をする手段を選択できない場合、この2つが多いように思います。保険制度では、治療に使える素材やコストが制限されるのでどこのクリニックで行っても限界があります。
銀歯を入れた後の歯がしみる場合、これに対する簡単で効果的な方法は現在のところありません。
当院で行っているサプリメント内服による知覚過敏治療は、このタイプの術後知覚過敏治療にどの程度効果があるのかの確信は得られていません(その他のタイプの知覚過敏治療には確信が得られています)。
処置の全てが後手にまわるために、しみるのが続いた結果、衰弱して回復できない状態や腐敗した神経を取らざるを得なくなることが多いと過去の経験から私は感じています。
銀歯を入れた後の歯がしみると、その処置をした歯科医師の治療に問題があると捉えがちですが、実際はそうではなく誰がやっても一定数起こり得る治療であると私は考えています。
この問題はエナメル質を温存して歯を守っていくという治療方法をとることにより解決できることがほとんどです。
では、エナメル質を温存するにはどうしたら良いでしょうか?
これには接着という手法を用いて歯を修復していくことが必要になります。これにより歯の表面を守っているエナメル質を温存でき、術後のしみるという問題を回避する可能性が高まります。
そのために当院でも、安さと手軽さを求めて銀歯治療を選択される場合は、健康なエナメル質を削る必要性がありその後のしみる症状が起こる可能性、そして神経処置をしないといけない可能性、さらにその後の歯内療法的問題も生じることもお伝えしています。
歯の治療をする場合は、むし歯があるからつめる、かぶせるという考え方ではなく、歯を長持ちさせるにはどのように修復していくかという発想が大事だと思います。
歯は咀嚼の道具でもあります。料理の時に使うまな板と包丁と同じです。
浦安市でむし歯の治療をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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