セラミック治療のよくある例 その33 銀歯の下に問題が隠れていたケース
前から銀歯が見えて写真を写すときにキラリと反射するのがイヤで
白くしたいという方です。
2本一緒に治療することになりました。
銀歯を外します。
削りカスが大量にでています。
ラバーダムで金属の削片を飲み込ませないように防護してから削っています。
この防護をしなければ金属のこなを飲みんでしまいます。
嫌ですね。
ラバーダムぐらいケチらずにやれば良いのにと思いますが、
まだまだラバーダムをルーティンに使っている歯科医院は日本では少ないそうです。
外した金属の裏面を観察しています。
明らかに細菌が繁殖した後が見られます。
ということは、その部分にむし歯がある可能性が非常に高いということです。
金属を外し、さらに補強材を外していきます。
少しずつむし歯が見えてきました。
さらに古い補強材を外します。
おおー、やはり中にむし歯ができていました。
実はレントゲンではよくわからなかったのです。
銀歯を外すとほとんどのケースで見られるこの光景。。。
嫌ですね〜。
私が銀歯を勧めたくない理由の一つです。
むし歯を丁寧に取っていきます。
まだ残っています。
おや?
小さい方の歯に不思議なものが見えてきました。
根管の入口です。
以前治療をされたときに見逃されたものでしょう。
肉眼治療では良くあることです。
この部分の治療も必要です。
この部分は後回しにして、
大きい歯の方の治療を完了させます。
むし歯を取り除き、樹脂で封鎖します。
形を整え、型を取りセラミックを作ってきます。
つける直前で、セラミックを乗せています。
接着が完了しました。
これで大きい歯の治療は完了です。
さて、小さい歯の治療にとりかかります。
手つかずの根管は、先の方でもう一方の根管と繋がっていました。
しっかりと密閉します。
さらに樹脂で封鎖します。
今回はグラスファイバーは不要でした。
型を取り、セラミックを作ってきます。
接着します。
遠目から見たところです。
遠目といってもこれで3倍ほどの拡大ですから、
肉眼でみると1/3ということになります。
拡大視野下にて治療を受けていない方は、
主治医の視点はあなたが見ている画面の距離を3倍離したぐらいの映像をみて判断しているということになります。
それが40代後半以降の先生で老眼が進んでいたらどうなるでしょう?
詳細は割愛させていただきます(笑)
横から見たところです。
温存できる部分は極力温存し、失ってしまったエナメル質を人工のセラミックで補っています。
これで銀歯がギラギラと反射することはなくなるでしょう。
前後の比較です。
銀歯が2本なくなりました。
これでめでたし、めでたし。。。。ではありません。
う蝕産生菌(ミュータンス菌)の感染状況(ミュータンス菌数、う蝕菌比率)を詳細に調べ、感染リスクが高ければそのリスク低減を行うための治療を行います。
再発させない、再発しない状態までが治療です。
今回はマイクロスコープ視野下での3倍、5倍、8倍の画像を用いてご説明しました。
あと10年もすれば肉眼の時代は終わるでしょう。
いや、終わっていないとヤバいかもしれません。。。