5年経過インプラント3本の定期点検の一例 #24,26,36
5年前にインプラント治療を行った方の点検のケースをご紹介します。
上の奥歯2か所、下の奥歯1か所、計3か所にインプラント治療を行いました。
治療前は骨が著しく失われている状態で、特に上の奥歯については難易度の高い骨の造成(上顎洞底粘膜挙上術)が必要な状況でした。
下の奥歯に関しても、骨の吸収が著しくインプラントを入れるのと同時に骨の造成処置を行っています。
今回は特に難易度の高いとされる、上の奥歯の骨の造成についてフォーカスを当ててみます。
処置前の状態。緑色に示されたものがインプラントです。下の奥歯と上の奥歯、両方ともに骨が不足しており骨の造成処置を行わなければインプラント治療が不可能なことを示しています。
こちらは上の奥歯です。骨の厚みが不足しており、現段階ではベニヤ板にネジをいれるような状態になってしまうため、骨の造成処置(上顎洞底粘膜挙上手術)が必要です。
術後5年経過のエックス線画像
上顎洞底粘膜挙上術を併用した部分の5年経過エックス線画像
造成した部分と既存の骨との境界がわかりにくくなっている。
インプラントの周囲は骨に囲まれている経過は良好です。
治療前
治療後
治療前
治療後
もし、インプラントを使わなければ左側の咀嚼が難しくなることが予測されます。
インプラントによって十分な咀嚼ができる環境環境が確保されています。
定期的なメインテナンスをしっかりと受けられているため、歯周病の再発を回避されており、インプラント周囲炎も今のところ問題ありません。
今後もセルフケアとメインテナンスをしっかりと行っていくことで10年、15年、20年と問題なく使っていけると思います。
ポイント)
骨の量が不足した場所に対して、骨の再生、造成を伴うインプラント治療を行い、5年経過を確認しました。
治療に伴うリスク)
上顎洞粘膜穿孔、上顎洞炎
治療費用の目安)
通常のインプラント治療費に加え上顎洞底粘膜挙上術(ソケットリフト、サイナスリフト)
10万円から30万円
注意事項)全ての治療には個人差があり、治療の結果は異なります。