セラミック治療のよくある例 その28 歯の中の治療からやり直したケース
銀歯がとれたということで来院された方です。
最近のテレビで歯の金属アレルギ—の話題をご覧になったそうで、金属アレルギ—と脱毛(ハゲ)についてのご質問もありました。
金属アレルギ—が起こす可能性を減らすという意味で金属を使わないというのはとても賢明な選択だと思います。
が、
アレルギ—的側面の不安を煽ってセラミック治療を勧めているわけではありません。
たしかに、
日本でのみ使われている銀歯の金属(12%金銀パラジウム合金)に含まれる
パラジウムは金属アレルギ—の原因の4番目に登場する金属ではあります。
本来使われるべき金属、
すなわち金(ゴールド)の代わりにむし歯の大洪水時代の代替金属として日本独自に開発された合金を、いまでもず〜っと保険給付として使っているというものです。
本来の歯科治療に使う金属ではなく、ただちに問題を起すことが証明できないものとして使われているにすぎないのです。
まあ、パラジウムを禁止している先進国もあるぐらいですから
問題を起す人がちらほら出てもおかしくはないでしょう。
過去のセラミックの投稿をみていただければおわかりになりますが、
アレルギ—よりも大きな問題を起すのは隙間からの虫歯ですね。
漏洩というやつです。
さて、本題に入ります。
銀歯が外れてきたという方です。
歯の内部の治療をやり直し(歯内治療)、グラスファイバーを樹脂と歯根とで接着しています。
これ、グラスファイバーに接着処理を行うというのがめちゃくちゃ大事です!
型どりの後です。
少し出血しているのは、歯と歯肉の間に細い糸をいれて型を取り、
その糸を外したからです。
この処置は歯肉圧排(しにくあっぱい)といいまして通常のシリコンでの型どりの時は必ず行います。
手抜き歯科医院ではやってないでしょうけど。
心配な方は通われている医院のスタッフに聞いてみてくださいね。
それでセラミックを作ってきまして、
表面の接着阻害物質を取り除き、接着処理を行います。
これで完成です。
治療前後で比較してみましょう。
はい、こんな感じです。
冒頭でお話した金属アレルギ—ですが、実はこの診断はとても大変です。
金属アレルギ—が疑わしい場合は、すぐに撤去ではありません。
まずは、どの金属の種類が問題かを特定しなければいけません。
なにかしらの症状がでて金属アレルギ—とご自身で判断される方がいらっしゃいますが、皮膚かによるパッチテストをご紹介しています。
それでもわからない場合は金属アレルギ—外来をご紹介しています。
意外と金属アレルギ—の可能性は低いですということもありますので、
過度に恐れることはありませんので、ご安心ください。
あと一つだけ知っておいていただきたいのですが、
テレビの情報はそんなに信頼性が高くありませんので、
そんなに信頼しない方がいいんじゃないでしょうか(笑)