セラミック治療のよくある例 その15 銀歯の境い目にむし歯ができたケース
舌で歯を触るとなんとなく尖っている感じがあるとのことで見てみました。
最初は金属と歯の境い目はなかったのでしょうが、
歯がすり減って段差ができています。
こちら側は段差を通り越して、
隙間ができています。
この隙間からむし歯が広がると中が空洞になり、
そこに咬む力が加わるとどうなるでしょうか?
割れます。
割れたらどうなるでしょうか?
割れる方向によっては抜歯せざるをえない状況に陥ります。
早い段階できれいにやり直し治療をしておいた方が無難です。
金属を外していきます。
金属を削るときはラバーダムという歯を隔離するゴムをつけています。
削った金属のかけらが口の中全体に飛び散るのを避けるためです。
金属アレルギ—への配慮が必要です。
金属が外れました。
幸い、むし歯はそれほど拡大していません。
良かったですね、ひと安心です。
さあ、下地を外していきます。
だいぶ取れました。
一部にひびが入っています。
いつ入ったひびかは分かりません。
もしかしたら銀歯をかぶせる時点で既にあったのかもしれません。
歯の内部をきれいにしていきます。
柔らかくなっている部分がありますので取り除きます。
歯の中の治療のやり直しは、汚染が進んでいないので行いませんでした。
グラスファイバーと樹脂を使って補強していきます。
接着して一体化させます。
丸いのがグラスファイバーの断面です。
さらに歯の形を整えます。
口の中で歯をスキャンしてセラミックを作ります。
いつもどおり接着操作を丁寧に行いセラミックを接着します(2日目)。
この接着操作を丁寧に行うというのは非常に大事なポイントです。
毎回同じレベルで行っておくということが後々で何かトラブルが起きたときに
接着操作のミスなのかどうかということの検証に役にたちます。
こんな感じです。
前後で比べてみましょう。
きれいに入りました。
この方の場合は27本中19本の治療跡がありますので、
過去にむし歯になりやすかったことが伺えます。
今回の治療でひとまず口の中に穴があいているところはなくなりました。
むし歯の再発を防ぐために次回唾液の検査を行います。
その結果によってむし歯予防対策が変わりますので、
治療後は唾液検査を受けていただくと私も安心できます。