セラミック治療のよくある例 その4 2回目の治療
セラミック治療でのよくあるケースの一つです。
歯が欠けた! ということで心配になって来院されました。
黒くなって穴があいてます。
矢印の部分に樹脂が詰めてあったのですが、
かみ合わせの力が当たる場所が欠けてきたようです。
エナメル質と比較して強度的に弱い樹脂を使った場合に、
このような場面が多く見られます。
幸い、欠けた範囲は狭く、
早い段階で診せていただけたので、
むし歯の部分を取り除き、
温存できるエナメル質は極力温存するように削り、
足りない部分だけをセラミックを用いて、
人工的にエナメル質を回復しました。
これでこの歯は大丈夫でしょう。
違う人で、歯が欠けたという方が来院されました。
ホントに多いんです。こういうケース。
はい。また、銀歯のそばの歯が欠けています。
なぜ、このような現象が起こるのか。
そもそも、この銀歯のかぶせる範囲はインレーの範囲を超えています。
歯の幅の1/3がインレーです。
それ以上超えた場合、かみ合わせを考慮して
金属で修復するのならアンレーというものにするのが本筋。
4/5冠とか7/8冠というものです。
ところが、この銀歯の素材では細部再現性が望めないので、
おそらく想像するにインレーの範囲を超えてなんとか苦肉の策で
こういうデザインになっているかと思います。
それにプラスして、
アンレーという項目が保険から削除されているんですよね。
選択肢は、インレーかクラウンか。
アンレーを行なう場合はインレーとして算定するので、
余分にかかる経費は医院から持ち出し。。。
善意を発揮しようとすると、
経営が苦しくなる仕組みの一つがコレですね。
このケースで銀歯でやろうとしたら、
かぶせる範囲を広げてクラウンの適用になりますから、
全周まるまるエナメル質を削り落とします。
やりたくないですねー。
エナメル質を削った後、
むきだしの象牙質に対しては
表面処理をするのが世界的スタンダードになっているのですが、
それすら保険にはありません。
削りっぱなしで象牙質むき出し。
しみるでしょうし、保護が一切ありません。
技術的な不備じゃないですか?なんて思われますし。
単なる保険医療での材料制限の話ですから。。。
繰り返しますが、ホントにこの銀歯治療はやりたくない。
でも患者さんの経済状況でやらざるをえない時がたまにありますので、
義務で泣く泣く削ります。
で、そういう人に限ってむし歯にならないようにする方法には興味を示さないので、
悪循環から抜け出すことはかなり難しいようです。
全く困ったものです。