セラミック治療のよくある例 その9 以前のかぶせものが取れてきてやり変えたケース
銀歯ではなく、昔治療したセラミックがとれてきたという方です。
さしば という言い方があります。
根っこにさすという意味ではこれもさし歯に入りますが
厳密には違います。
さしている土台とかぶせている部分が一緒になって取れてきたようです。
裏からどれぐらい汚染されているか見てみます。
よくわからないので8倍に拡大して見てみます。
金属の表面が黒くなったり茶色くなったりしていますので、
細菌(バクテリア)が繁殖しましたよ!という印です。
汚染されていますよ!ということです。
歯をみてみましょう。
歯のねっこしか残っていません。
一部はむし歯になっています。
ゆるんだ状態で咬む力がかかると歯にひびが入ったり、
割れたりすることがありますが、今回はその様子はなさそうです。
取れてくることで力が逃げたので、歯を痛めなくて良かったです。
矢印の部分はむし歯になっています。
その後、歯の中の治療をやり直し(歯内療法)、
ようやくグラスファイバーの土台をつけることができました。
接着剤の混入を防ぐために歯の周りに糸を巻き付けています。
無事にセラミックを接着しました。
もちろん、唾液タンパクなどの接着阻害因子を除外したうえで行っています。
こんな感じです。
全部を被うタイプ(クラウン)です。
さて、これで一安心! と思いきや、
後ろの歯のざらつきが気になるということで顕微鏡で詳しく見てみました。
まあ予測はつきますが、やっぱりアレです。
金属の境目の段差、そしてそこから派生するむし歯!
もっと詳しく見てみます。
いまいちはっきりしませんので、
角度を変えてみてみましょう。
いかがでしょう?
みえましたか。
めくれ上がっているようになっている部分が舌に当たっていたのですね。
これで舌がキレているとさらに一大事です!
この部分のやり直しも希望されましたので、
外します。
ラバーダムというゴムのシートで隔離しています。
金属は12%金銀パラジウム合金ですので、
削片が飛び散らないような配慮のためです。
金属アレルギ—を起さないための配慮ですね。
それほど中が柔らかくなっているようには見えません。
中のつめものを全てはがします。
だいぶキレイになって無垢な部分が見えてきました。
汚染の状況はひどくないようです。
矢印の部分、なんでしょうか?
亀裂が入っていました。
亀裂は一部で済んでいそうです。
今回は歯内療法をやり直し(ラバーダムをまたつけます)、
ひびの部分を追求し補強し、
セラミックでかぶせる予定です。
しかし、銀歯っていつもこうなんですよね。
う〜ん、悩ましい。
まあ、日本は他の先進的な方法が自由に選べるからまだいいかもしれません。