感染根管治療の一例 002 #15
以前に根の治療(根管治療)を行った歯に違和感があるということで、相談を受けました。
向かって左から3番目の歯(第二小臼歯)です。
根の先のほうの骨に炎症があるように見えます。
どこに異常があるのかを精密なCTを撮影して調べてみますと、
このように根の先のほうに異常が生じていることがが明確になりました。
骨の密度が減っている部分に加えて、根の先端近くにある粘膜(上顎洞底粘膜)が厚くなり炎症の影響を受けていることもわかります。
水平部分の断面画像。
歯の垂直の断面画像。向かって左側が外側、右側が内側です。
今回は、治療のやり直し、再治療なので成功率が70%程度に下がることと、再発した場合の対策を相談の上で治療を行いました。
治療中の画像①
治療中の画像②
そして、治療後約6か月経過したところで点検のエックス線写真を撮影しました。
治療前
治療後(6か月)
治療前
治療後(6か月)
治療前
治療後(6か月)
骨の密度が減っていた部分は回復傾向にあり、上顎洞粘膜の反応(肥厚)もなくなり回復しているといえるでしょうか。当初の違和感はゼロではないものの日常生活には支障のないレベルになってきているため、このまま経過を追っていくこととなりました。
まとめ)
再根管治療の時間と回数 約90分 1回
経過観察期間 6か月
治療時合併する可能性のある状況 一時的な腫れ、疼痛、上顎洞粘膜穿孔、上顎洞炎、歯根穿孔、歯根破折
治療経過後再発した場合の対策 歯根端切除術