セラミック治療のよくある例 その2 前歯1本だけのやり直し治療
引き続き セラミック治療のよくある例について書いてみます。
今回は前歯の一本だけの例です。
患者さんは前々からこの矢印の前歯が気に入らなかったらしいのですが、
なかなかやり直しの機会が得られなかったそうです。
矢印がないとこんな感じです。
確かに、歯だけを見た場合に統一感がこの歯によって失われています。
細かく見てみましょう。
よーくみると修理の跡があります。
他の部分(修理されていない部分)を見てみるとどうでしょうか?
歯の透明感が違います。
透明感の違いは、金属を使っているので仕方がないでしょう。
金属色を消すためにマスキングし、
その上で歯の色を再現するという作り方をしている人工歯ですから。
(オールセラミッククラウンが登場する前のスタンダードな作成方法ですので、
それが悪いというわけではありませんし、
今でも金属を使わないと難しいケースが存在します。)
さて、この歯を取外し
透明度を再現するべくセラミックの素材を選択しました。
その結果がコチラです。
少しツートンになっている感じの色の変化をしているので、
そこも気をつけて作成しました。
この色の微調整は非常に繊細な作業です。
色を変えるには、セラミック用の釜で高温にて焼き直しをします。
焼いている最中、中は800度以上になるんですよ、
めちゃくちゃ、熱そうでしょ!?
その釜は小さな機械ですので、診療室に置いてあります。
この機械のおかげで
色が合わなくても治療中に色の修正作業ができますので、
修正のために改めて数日時間をいただくといことは非常に少なくなりました。
(複雑な色の場合は、もっと難しくなりますのでこの限りではありません。)
分かりやすくするために、治療前後で比べてみましょう。
統一感が再現できましたネ!
治療後は、気に入っていただけたようで
とても嬉しそうに何度も鏡を見てはニヤニヤとされていました。
これで心置きなく笑ってくださいね!
最後に大事なことをお伝えしました。
そうです。
きれいなスマイルの作り方です!
唇がゆがんでスマイルしないようなトレーニングをお伝えしました。
ちょっとがんばれば素敵なスマイルになることでしょう!
ちなみにこのセラミックは私が技工をして作っています。
技工士さんがいらなくなるんじゃないですか?
と心配される方がいらっしゃいますが、
いえいえ、技工士さんにしかできない仕事はたくさんありますので
それは大丈夫です。
難しいケースは技工士さんがいないとできませんので、
とても大事なパートナーなんです。
今回は前歯1本だけのやり直しの例についてでした。