セラミック治療のよくある例 その12 つめ物の下でむし歯が多発していたケース
下の奥から2番目の歯です。
べろ側が一部欠けています。
こういう場合、崩壊していくのは時間の問題です。
この歯は肉(動物性タンパク質)や食物繊維(野菜など)を摂取するために重要です。
もし、治療を先延ばしにして
歯に力をかけないように炭水化物傾向になったらどうなるでしょうか?
糖質過多による食後高血糖を引き起こしやすくなり、
その結果として糖化反応、血管障害、栄養不足という
高齢者に起こりがちな問題につながっていきますのでお勧めできません。
この歯をしっかりと修復しましょう!ということになりました。
金属を外します。
金属片飛び散りを防止するためにラバーダムを装着しています。
下地が見えてきました。
まずは下地だけを削って取り除きます。
下地が取り除かれました。
やはり、また現れました。
下地の下のむし歯。。。
小さいスプーン状の器具でさわると柔らかくなった部分がぽろぽろ取れてきます。
この部分は無事に取りのぞくことができました。
これで一安心かと思いきや、
別の場所に怪しいところがあります。
きれいにしてよく見えるようにしますと、
はい、ありました。
むし歯。
取り除きます。
これで無事取れました。
結局この三カ所にむし歯があったわけです。
さて、形を整えていきます。
後ろの歯の金属部分がいびつな形をしていたので整えまして、
くっつきすぎていた部分を修正しています。
さらに手前の歯にはむし歯があったので、
ここもむし歯をとって詰めます。
その後、型をとり(口の中でスキャン)、セラミックを作りまして接着します。
ここからは翌日です。
こんな感じで無事に入りました。
昨日の麻酔の跡が少しただれています。
ちなみにこの矢印の部分は骨の隆起です。
歯ぎしりや噛みしめ(くいしばり)などがある方に見られる特有のものです。
何はともあれ、無事に入りました。
比較してみましょう。
ひとまず歯の構造がしっかりとしました。
さて、ここからが大事なポイントです。
なぜ? 下地の下でむし歯が発生したのか?
骨の隆起ができていた根本理由は何か? 興奮が起こったのはなぜ?
歯と歯の間のむし歯ができたのはなぜか?
歯みがきが悪いから?
という考えが浮かぶ方がいらっしゃるかもしれませんが、
まあそれは昔の話です。
時代は変わっています。
この方が繰り返しをしないように今後必要なのは、
唾液精密検査(う蝕菌検査や唾液機能チェック)
そして食事の見直しです。
もし、う蝕菌検査を治療前にやっていたらどうなっていたでしょうか?
さきほど隠れたう蝕がありましたが、
それによって検査データが見せかけ上多く出るはずです。
多く出たデータを持って判定するとどうなるでしょうか?
大事なのは、治療が終了してこれで万全! という段階になってのタイミングです。
食事についてはいかがでしょうか?
興奮する食事をしているはずです。
ということは、血糖調節が乱れているかもしれませんね。
食事記録と血液検査(1.5AGというデータ)を見れればいいですね。
ではこの辺で。