セラミック治療のよくある例 その34 とれてきた銀歯の下にむし歯があるケース
奥歯に入っている銀歯が外れてきたということで来院されました。
むし歯になっていないか調べてみますと・・・
怪しい部分がありました。
さわってみると硬いはずの歯が柔らかくなり、おから状にぽろぽろとれてきます。
むし歯です。
むし歯というと黒い部分を想像される方が多いですが、実は黒くなるのは相当な時間が経ったものです。
茶色くやわらかくなっている状態がほとんどです。
今回はセラミック治療で修復することになりました。
一旦銀歯を戻して次回に備えます。
改めてしっかりと治療ができる時間を確保していただき、治療開始です。
汚染している部分をきれいにしていきます。
むし歯の部分を鏡で見ています。
まだ取りきれていません。
だいぶきれいになってきました。
この深さであれば神経がはいっている部分にかなり近いことが予想されます。
手作業できれいにしていきます。
ドリルも使いますが繊細な部分は手作業が一番です。
表面を樹脂でコーティングし、歯をスキャンしてセラミックを作ってきます。
翌日、できあがったセラミックをつけていきます。
接着操作が完了しました。
治療前後の比較です。
これで封鎖が完了です。
奥から2番の大きな歯(大臼歯)をしっかりと修復できました。
もし銀歯がたまたま外れてくれなくて、中でむし歯が広がっていったらどうなったでしょうか?
痛みが出ると、神経温存処置ができない場合があります。
その場合は、抜随(歯内療法)が必要になります。
複雑な形をしていることが予測されますので、歯内療法も難しくなる可能性があります。
その場合、再治療を繰り返す可能性があります。
さらに根が割れるという可能性も将来的に出てきます。
むし歯が大きくなってから入れ替えるというのは一見妥当な意見のように思えますが、おすすめしていません。
先手を打つなら早めに打てるタイミングをお勧めしています。
また、銀歯を再び銀歯で再治療することは
知らないうちに銀歯の下にむし歯ができるという状況を日々見てきていますので、
お勧めしていません。