失ったものを取り戻す パート3
歯周病が重度に進んでしまうと、
歯を支える骨がなくなり、
歯がゆるみます。
ご自分でもそれを簡単に調べる方法があります。
それは、
両方の奥歯でカチカチと軽くかみあわせて、
手の指の爪の先端を歯の表面においてみる方法です。
(全ての歯に試してみて下さい)
そのときに
歯が明らかに動くようであれば、
その歯はかみ合わせのバランスを失っています。
そのバランスを失った歯に
歯周病がからむと、
周りの骨はどんどん溶けていきます。
砂山に立てた棒の周りの砂をとっていくと
棒が倒れるイメージと同じです。
この方↓もおそらくそのような状態が長く続き、
歯の周りの骨を広範囲に失ってしまいました。
歯を抜いてインプラント治療を行う方が、
断然シンプルに行えるのですが、
「どうしてもインプラントを避けて、自分の歯を使いたい」
という思いがありましたので、
失った骨を再生させる方法を併用しました。
通常の歯周ポケット(歯の周りの溝)は、
正常で2−3mmほどですが、
深いところで15mmもポケットがありました。
そして、
今にも抜けそうなぐらいの、
動揺(歯の動き)がありました。
歯が動かないように仮歯を作り、
他の歯とつなげた上で、
手術用顕微鏡で8倍に拡大して、
処置を行います。
とても繊細で、大変な処置です。
それを考えると、
もう一度書きますが、
インプラント治療を行い、
骨の造成処置を行った方が本当にシンプルです。
これから、
1年ほど仮歯で過ごしてもらい、
1年後に患部の再生した度合いを確認していきます。
また、
処置をしたからといって、
必ずしもすばらしい結果が得られるわけではありません。
時には再治療の可能性を秘めたチャレンジが
必要になることだってあります。
そうでなければ、抜歯なのです。
できるかぎり早い段階で
チェックを受けられていれば、
大変な状態は避けられたかもしれません。
治療の繰り返しにならないように、
できるだけ早めの予防処置や、
点検を講じられることをお勧めします。