歯を守るために必要なこと 歯周病を知る その1
投稿日:2017年6月18日
カテゴリ:歯周病
浦安市のローズタウン歯科クリニック 院長青山達也です。
歯周病というのを正しく理解していただくことが、
歯を守る「初めの一歩」になります。
歯周病の歴史的背景として、
以前は
歯槽膿漏症という病名がついていました。
歯の周り(歯槽)から、膿がでる(膿漏)症状 を歯槽膿漏症と呼んでいました。
なぜだか、症状が病名となっていたようです。
その後、様々な研究が行われ、「歯槽膿漏の原因は歯垢である」と究明され、
歯周病(Periodontal Disease)として名付けられ、
歯周病学が確立されました。
漠然と顎の骨が溶ける病気だとお考えの方が多いと思います。
現在の認識では、
「歯周病は100%進行をストップできる疾患である」ということになっています。
歯を支えているのは、歯の周りの骨(歯槽骨)です。
この骨がしっかりとしていないと、
歯は咬む力に耐えられません。
歯周病を調べるためには、
歯周をの状態を調査するための「プロービング」ということを行います。
これは物差しでポケットを計ってるだけではありません。
25gという規定の力で、
その人固有の、
歯の周りの歯肉の硬さや、炎症の度合い、歯石の沈着度合いも探っています。
炎症がない歯肉は「張り」があるので、痛みは感じません。
炎症が起こっている歯肉は、触るだけで出血することがあります。
触るだけで出血する歯肉の原因を除去していくのが、
歯周病の治療です。
また、ご両親の歯の状態についてもお聞きします。
これは、家族歴と言われます。
遺伝的な要素を確認することが、治療に役に立つのです。
現在の所、遺伝子診断よりもこの家族歴を聞く方が
コストも安く確実性が高いと言われています。
遺伝的な歯周病に対しては、早期発見が有効となります。
早期発見のために、このようなX線写真を撮ります。
左右で1枚ずつ、合計2枚を1年に1度撮影します。
歯と歯の間の隠れたむし歯、
歯と歯の間の骨の状態を上下一緒に診ることができます。
当院では、定期健診のメニューとして、お子様においても
この規格写真を年に1度撮影しております。
この方法は欧米歯科先進国のスタンダードをモチーフとしております。
残念ながら、
日本は、問題が起きてから治療を行う「疾病医療」が基本のため、
このような先手を打つ歯科先進国の手法は
一部の歯科医院でしか行っていないという現状があります。
そのような国が提供する医療の背景を十分に理解して、
医療機関を選択されることをお勧めします。
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